白い首環型発信機,赤い首環標識,そして,特に「赤い足環標識」を付けたコハクチョウを探しています!
過去の目撃情報も大歓迎です.以下のリンクよりご連絡ください.
いただいた情報は,標識タイプ別のコハクチョウの生存率を推定するための使わせていただきます.以下,プロジェクトを推進しているDiana Solovyeva博士の記事をご紹介します.
● 西太平洋フライウェイにおける標識ハクチョウプロジェクト
本プロジェクトは標識の方法によるコハクチョウの成鳥と幼鳥の生存率の違いを推定することを目的として実施しています。なお、コハクチョウはロシアではアメリカコハクチョウと対を為す亜種ではなく、別種として扱われており,コハクチョウの西太平洋フライウェイは、西はインディギルカ川、東はコルチン湾の間のツンドラから越冬地である日本を繋いでいます。
調査チームは2016年から2020年にかけて、チャウン川デルタで155羽の成鳥と64羽の幼鳥からなる234個体のコハクチョウを捕獲し、標識しました。幼鳥のうち23羽はオルニテラ社の白色の首環型GPS/GSM発信機(携帯電話網を利用した位置情報発信機)と赤色の足環を装着し、36羽は赤色の足環のみを装着しました。成鳥では、118羽に首輪型発信機と赤色の足環を装着し、23羽に赤色の首環を、26羽に赤い足環のみを装着しました。
2016年から2019年にかけて標識した181羽のうち81羽がこれまで再確認されており,日本の協力者や野鳥関連団体による報告が今後も期待されます.生存率の解析は成鳥と幼鳥、また標識タイプ別に行われますが,発信機からの情報ではなく,越冬地である日本と繁殖地であるチャウンデルタにおける目視による観察結果から行われます。
発信機は3年目から脱落するようになり、発信機を装着した個体の中には今では足環のみを装着している個体もいます。足環のみを装着した個体は首環を装着した個体に比べて発見しにくく、再確認率が低くなることが予想されるため、日本のバードウォッチャーに特にコハクチョウの足環に注目していただけるようお願いします。
本プロジェクトは中国科学院・生態環境科学研究センターから発信機を、アメリカ地質調査所から足輪と首輪をの提供を受けて実施されました。本記事はロシア科学アカデミー北方圏問題研究所のDiana Solovyeva博士によって執筆されました。
© Daria Barykina
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