2023年9月23日(土)、マガレンジャーの活動「コウモリさがし」を行いました。
講師は滝川高校から長澤秀治先生をお迎えしました。
コウモリのことを子どもたちにいつもわかりやすく教えてくださいます。
また、日没後にISSを観測できるナイスなタイミングということで、「ほっしー」ことミヤボラの中嶋さんにも来ていただきました。
日没前の明るい時間帯は、館内でスライドを見ながらコウモリについて学びました。
コウモリという生きものは、本当は身近な存在なのですが、夜に活動するので普段暮らしているとなかなか目にすることができません。
ましてや彼らの鳴き声は、人間の耳には聞こえない周波数の超音波。
まだまだ知られていないことが多いのです。
先生のお話を聞きながら、マガレンたちから鋭い質問が飛び交います。
答えを見つけ出そうと次々と考えが飛び出します。
「どうしてぶら下がったまま子育てをするの?地面の上の方が子どもが落っこちなくてラクなんじゃない?」
「天敵から身を守るためなのかな?」
「ぶら下がってる方が飛ぶ練習をしやすいのかな?」
質問に対してすぐに答えを出すのではなく、先生も一緒に「どうしてかな?」と問いかけながら答えを見つけていきました。
日が暮れたら、バットディテクターを持って防風林へ繰り出しました。
「コウモリがびっくりするから、おしゃべりをしないで静かに歩くこと」
今回はきちんと守れました。
しかし、防風林では一向にコウモリの気配が感じられません。
管理上必要なことなのでしょうが、外側の木を伐採された防風林は薄っぺらくなっていました。
例年より時期が遅いためか、防風林が小さくなったたためか、とうとうコウモリを見つけることができませんでした。
来年、いつもの時期(8月〜9月初め)にもう一度観察して確かめる必要があります。
すっかり暗くなった頃、空を見上げると星が少しずつ見え始めました。
ISSが通過するので、みんなで見ることにしました。
北西の空に見えた星が北斗七星の下を通ってゆっくりと東の方へ移動します。
「あの中に人が乗っているんだよ」
「90分で地球を一周するんだって」
ISSが東の空に消えると、満天の星空。
突如、高校生のゆな隊員が副隊長に耳打ちしてきます。
「なんか変なの飛んでる。人工衛星にしてはいくつも綺麗に並んでるし。まさかUFOじゃないよね。」
副隊長も目を疑いました。
南の空に西から東へ、人工衛星のように動く星が数珠繋ぎに次から次へと増えてきました。
ほっしーによると、スターリンク衛星とのこと。
打ち上げた直後数日は、衛星が連なって飛ぶ様子が見られるようです。
たまたまそれを目にすることができたということです。
綺麗な星空をいつまでも眺めていたかったけど流石に体が冷えてきたので、館内に戻って解散することになりました。
コウモリや星の観察を通して、宮島沼周辺の環境が見えてきます。
森に住むコウモリは、日が沈むと虫を食べるために飛び回ります。
コウモリの餌となる虫たちは水辺にたくさん集まるので、田んぼや沼はコウモリにとって絶好の餌場。
しかし、超音波を発して自分の位置や目標物を探すコウモリにとって、何もない平原はちょっと苦手。
宮島沼周辺には防風林がいくつもあるので、コウモリたちは防風林でねぐらをとって、防風林の近くの田んぼや水辺で餌をとることができます。
ねぐらを変える時も防風林づたいに移動することができます。
マガンにとってねぐらとなる沼と餌場の田んぼの両方が大切なのと同様に、コウモリにとって防風林と水辺はどちらもなくてはならないもの。
また、星を観察するには、周りを田んぼに囲まれて人工の光がほとんどない宮島沼はうってつけなのです。
毎度のことながら、マガレンジャーの活動から我々大人も学ぶことがたくさんあります。
彼らが大人になっても、同じように自然を観察できるように、沼や周辺の環境を守っていきたいものです。
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